近年、250~500℃の中温域で高いプロトン伝導性を示すセラミクスが開発されているが、空気極で起こる酸素還元反応の反応速度が遅く、エネルギー変換効率が低下する。そのため、中温域で安定であり、高い酸素還元活性を示す触媒材料の開発が必須である。本研究ではまず、電気化学評価を行うセルの開発を進め構造が簡単なセルを実現した。それを用いて、貴金属を含む様々な触媒の酸素還元活性を評価したところ、白金などの貴金属触媒は、液体電解質中では、酸化物の形成が進行し、酸素還元を阻害することがわかった。一方、セラミクス電解質を用いた場合、貴金属触媒は平衡電位を達成でき、質の良い活性点となりうることが示された。
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