圧力は温度ととともに熱力学を支配する重要なパラメータであるが、電気化学反応に与える圧力の効果については、現状ではほとんど明らかになっていない。電気化学は蓄電・発電・センサーなど、実用デバイスの開発との結びつきが強い学問であり、特殊環境下における基礎研究があまり注目されてこなかったからである。しかし、近年開発が活発化している全固体電池においては、電池内の電極活物質や固体電解質の粒子間において、数百メガパスカルを超える超高圧力が発生している可能性も指摘され始めており、本研究で開発した高圧力下での電気化学測定技術は全固体電池の特性向上に役立てられる可能性がある。
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