研究課題
本研究では、ウイルスの検査試薬・ウイルスの構造解析・ワクチン開発等に利用するために高い熱安定性・pH安定性を有する蛋白質ケージ(Scaffold)を用いてウイルス様粒子(VLP)を作成することを目的としている。現在、モデル分子を用いて大腸菌での発現系の構築と精製法の確立のために必要な技術基盤開発を行っている。現在までのところ、モデル分子のフラグメント化や大腸菌発現条件の検討、分子シャペロン等の共発現などを行っているが期待する可溶性のVLPは得られていない。今後は、引き続き大腸菌での発現条件の検討を行うとともに、他の生物種での発現を検討している。そのための、学内での遺伝子組換え実験の変更を行っている。
3: やや遅れている
SARS-Cov2スパイク蛋白質(S蛋白質)をモデルに、大腸菌内での発現を行ったところ。不溶性各分に発現した。発現温度や誘導方法を変えても可溶性となることは無かった。そこで、トリガーファクター等の分子シャペロンを共発現したところ可溶性各分に得られたものの、非還元条件下で大きな会合体を形成していることが分かった。ジスルフィド結合を促進するシャペロンの利用やペリプラズムへの発現を試みたが、変化はなかった。
大腸菌での発現は、まだ試みていない分子シャペロン等を検討する。同時に、他の生物での大量発現を試みる。
当初計画より進捗状況が遅れているため、次年度使用額が生じた。試料調製に必要な消耗品・論文投稿料ならびに機器修理費に使用予定である。
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FEMS Microbiology Letters
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Proceedings of the National Academy of Sciences
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