研究課題
基盤研究(C)
持続可能な社会の実現にむけて、ポリエチレンテレフタラート(PET)のリサイクル技術の改良が求められている。酵素を用いて原料へと分解し、PETとして作り直す方法に期待が集まっている。ただし、酵素は高温下などで容易に機能を失うため、改良が必要である。本研究では、PET分解酵素の安定性を改良し、高機能化する手法を開発した。安定性・活性の向上した度合いは限定的であったが、今後の更なる改良に向けた基盤的な技術を開発することができた。
蛋白質科学
酵素を用いたPETリサイクル技術の開発は近年世界的に競争の激しい分野である。中でも高安定、高活性な酵素の開発は盛んに進められており、多数の提案がなされている。本研究では、本来ヒモ状の蛋白質の両端を結んで環状にする主鎖環状化技術を用いてPET分解酵素の高安定化することに成功した。安定性・活性はこれまでに報告されている高機能PET分解酵素を凌駕するものではなかったが、主鎖環状化技術は従来の点変異導入による安定化と併用可能な技術であることから、それらを組み合わせた改良酵素の開発が期待できる。