研究項目① 各種LAAOの人工合成(2021~2023年度):psLAAOの金属配位アミノ酸部位を金属が配位することができないアラニンに置換した各種変異型を作製している。タンパク質表面にある348番ヒスチジンならびに209番ヒスチジン(陰性コントロール)をアラニンに置換したものは合成収量が解析可能な十分量を確保できているが、241番スレオニンならびに406番アスパラギン酸に関しては、収量が少なくタンパク質発現条件の最適化を図っている。また、当初の酵母株から高収量発現株(プロテアーゼ欠損株)に変更して発現誘導を実施している。 研究項目② LAAO複合体形成の確認(2021~2022年度):複合体形成実験で使用するFLAG配列を付加したpsLAAOは、合成収量が少なくFLAG検出感度も不十分であるため発現合成条件の最適化をおこなっている。psLAAOをタンパク質架橋剤(BS3:側鎖にアミノ基をもつリシン同士を架橋)で処理することで複合体を検出することが可能となっており、現状ホモ4~8量体を形成することが推察されている。複合体数を特定するべくカラム分離・分取を実施している。 研究項目③ 安定性試験(2022~2023年度):安定性試験に関して、キレート剤を用いて金属除去することにより活性の不安定化が認められている。348番ヒスチジンをアラニンに置換させたpsLAAOは、キレートを用いて金属を除去したものと同様に不安定性が認められている。209番ヒスチジンをアラニンに置換させたものは変異を挿入しても安定であった。
|