イトマキヒトデ胚の発生では、胞胚期において特異的なヒストン2量体が形成されることが発見されている。このようなクロマチン修飾は細胞分化と深く関係しているものと考えられることから、ヒトデの胞胚ならびに原腸胚形成を選択的に阻害する細胞機能調節物質の開発が必要とされている。そこで、ヒトデ胚発生を特定の段階で停止させる活性を指標にして、生理活性物質の探索を行った結果、軟体サンゴから新規ジテルペノイドおよびセスキテルペノイド類を、海綿から含臭素化合物類を、オリーブ害虫から蛍光化合物類を、さらにカンアオイの根からフェナントレン類を単離し、スペクトルデータ及びX線結晶解析に基づいて構造決定した。
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