研究実績の概要 |
前年度に引き続き抗真菌薬リード化合物の探索を行なった。菌寄生菌類をはじめとする微生物培養液を探索源とし、抗アスペルギルス・フミガタス活性スクリーニング5,060サンプル、抗カンジダ・アウリス活性スクリーニング4,660サンプルの合計9,720サンプルの微生物培養液からスクリーニングを行い、それぞれ77および36サンプルがスクリーニングを通過した。スクリーニング通過したサンプルについてはLC-DAD-ESI-MSによる分析でfreguent hitを含むサンプルを大量培養候補から除外した。 8株の糸状菌を大量培養を行い、抗真菌活性を指標に精製を行なった。その結果、このうち4株の培養物から新規化合物1つを含む5つの抗真菌活性物質を単離し、ESI-MSおよびNMRを用いて構造決定した。また、本年度においても菌寄生菌類1株より抗真菌活性物質を単離した。 大量培養した8株のうち深海堆積物より単離されたScedosporium apiospermum FKJ-0499 株の培養物より取得したtyroscherinとその新規類縁体N-demethyltyroscherinにはカンジダ・アウリス22株に対して0.0625-4ug/mLと強い抗真菌活性を示した。この内容についてJournal of antibiotics に投稿し、2023年11月にアクセプトされた。 また、前年度に取得した新規抗真菌活性物質についてもJournal of antibiotics に投稿し、現在revise中である。 本研究内容について第36回北里大学バイオサイエンスフォーラムおよび第33回新薬創製談話会にてそれぞれ口頭、ポスターにて発表した。
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