研究課題/領域番号 |
21K05302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
張 宗哲 東京工業大学, 物質理工学院, 特任助教 (00774853)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Prodrug / Sialyltransferases / In vivo synthesis / Acrolein |
研究成果の概要 |
細胞内のシアル酸転移酵素の阻害は、新たながん治療戦略として期待されますが、既存の阻害剤は正常組織にも作用してしまうため、腎臓の機能障害などの副作用を引き起こすことが課題となっていました。本研究は、がん細胞内でのみ阻害剤を合成し作用させれば副作用の恐れが少ないと考えました。そこで、アジド基を持つ化合物とアクロレインが選択的に環化付加反応を起こすことを利用した、阻害剤の原料となるプロドラッグを設計しました。プロドラッグががん内でアクロレインと反応して、ドラッグ活性体が合成され、シアル酸転移酵素を阻害し、がんを治療することができました。副作用である腎臓の機能障害による体重増減は見られませんでした。
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自由記述の分野 |
Chemical biology
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、アクロレインが多く存在するがん細胞内でシアル酸転移酵素阻害剤を合成し、がん細胞上のみで糖鎖構造を合成化学的に変化させ、副作用なくマウスのがんを治療することに成功しました。がん細胞内で薬剤を合成するという本研究の戦略は、他の作用機序を有する抗がん剤の開発においても、副作用を減らす戦略としての活用が期待されます。
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