研究課題/領域番号 |
21K05320
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
出水 庸介 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 部長 (90389180)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヘリカルペプチド / フォルダマー / 細胞膜透過性ペプチド / 核酸医薬品 / DDS |
研究実績の概要 |
様々な非天然型アミノ酸を含むことで特殊な立体構造を形成(フォルダマー)する中分子ペプチド医薬品の開発が活発化している。これらのペプチドは、従来の医薬品では達成できなかった治療効果が期待でき、化学合成による製造が可能でコストの問題を回避できることから、次世代の医薬品モダリティのひとつとして期待されている。それらのペプチドの立体構造に着目すると、環状構造、あるいは安定なヘリカル構造を形成できる中分子ペプチドの開発が盛んである。特に、ヘリカル構造はDNAや他のタンパク質を認識する上で重要な役割を果たしているため、安定なヘリカル構造を形成できるペプチドの合理的設計は高機能中分子医薬品を開発する上で重要なアプローチのひとつである。本研究では、ヘリカル構造制御のビルディングブロックとして汎用されるα,α-ジ置換アミノ酸、β-アミノ酸、アミノ酸側鎖架橋(ステープル)等を組み合わせることで、高度かつ精密にヘリカル構造を形成できるペプチドの開発とそれらを利用した創薬研究、すなわち、「革新的中分子医薬品創出を目指したペプチドフォルダマー創薬研究」を行うことを目的とした。 令和5年度は、カチオン性および疎水性アミノ酸から構成される両親媒性ペプチドフォルダマーを活用した核酸の細胞内デリバリーツールの開発を目指した。特に、ステープル構造を導入することでヘリカル構造を安定化させた両親媒性ペプチドフォルダマーは、pDNA、 mRNA、siRNAを細胞内に効率的に輸送できることを明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
両親媒性ペプチドフォルダマーの合理的デザイン手法、細胞評価系の確立を達成でき、高機能なキャリアペプチドを見出し、論文化することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で確立したペプチドデザイン手法を一般化することで、組織選択的、細胞選択的なDDSキャリアペプチドの開発に繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
R5年度に挙げた研究成果を論文化するための追加研究、論文投稿・掲載費用等が必要となったため。
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