本研究では細胞を亜致死高温条件に曝しながら継代するSerial transfer培養法により高温適応進化株のラインを確立した。定期的にリシーケンス解析することで変異した遺伝子座を同定し、変異数の増加を観測した。累積した突然変異がゲノム上の特定領域に集中するかどうかを解析したが、現時点ではホットスポットは見られていない。一方、電顕解析による高温下での細胞形態の比較の結果からは親株と高温適応進化株の違いは明瞭であった。また新たに取得した高温適応株のラインはこれまでの株とは異なる遺伝子座への変異を持っていたことから、高温耐性や高温適応に関わる突然変異には多様性があることが見えてきた。
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