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2021 年度 実施状況報告書

生理活性脂肪酸の安定性と機能性向上を目的とした微生物由来アミド化触媒の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K05340
研究機関京都大学

研究代表者

原 良太郎  京都大学, 農学研究科, 特定准教授 (70553535)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード脂肪酸アミド / アミド化合物 / 脂質メディエーター / アミド結合 / 酵素 / 探索 / スクリーニング / 物質生産
研究実績の概要

近年の健康に対する関心の高まりを受け、生理活性脂質が注目されている。このうち、脂肪酸のカルボキシ基にアミンを付加した脂肪酸アミドは、既に工業用の可塑剤として利用されているだけでなく、新たな脂質メディエーターとしての利用が期待される有用化合物である。酵素や微生物を活用したバイオプロセスにより脂肪酸アミドを生産することが可能となれば、化学合成法に依存した現行の製法の代替となり得る。
本研究では、多様な脂肪酸のカルボキシ基にアミン類を付加した脂肪酸アミドを生産するための微生物探索と、バイオプロセスへの応用を目指している。今年度は、脂肪酸アミドを生産する微生物の探索を重点的に行った。研究室保有菌株を対象に、各菌株に対して脂肪酸と多量のアミンおよび反応に必要な要素を加え、脂肪酸アミドの合成活性を指標とした探索を実施した。これまでに、1400株以上の微生物を検討した結果、バクテリア、放線菌、酵母、糸状菌、冬虫夏草など、幅広い微生物において脂肪酸アミド合成活性を見出した。とりわけ、放線菌とその近縁種において多数の高活性菌を見出したことから、当該アミド合成活性を担う酵素は放線菌属に広く存在することが示唆された。さらに、脂肪酸と高濃度のアミン存在下で活性が顕在化したことから、加水分解反応の逆反応によって脂肪酸アミドが生成していることが示唆された。今後、酵素を単離精製し、その反応メカニズムを明らかにするとともに、遺伝子の同定ならびに類縁酵素の探索を行う。他方、反応の多様化を図るべく、カルボキシ基の酵素的アデニル化と、それに続く非酵素的求核置換反応によるアミド結合形成反応についても検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、研究室保有菌株を一通り評価した中で、目的活性を有する株を見出した。また、自然界からの微生物探索も検討し、一部の未同定株においても目的活性が得られている。

今後の研究の推進方策

反応の多様性拡張と情報集積を目指し、幅広く自然界からの微生物探索およびデータベースからの酵素探索を加速化する。また、今年度見出した微生物から特に高活性な菌株を選抜し、カラムクロマトグラフィーによる酵素精製に取り組む予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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