子嚢菌類ではVeAタンパク質が二次代謝が制御していることは知られていたが、本研究においてサナギタケではVeAが光受容体の発現を抑制することで二次代謝を制御するという新たな光制御メカニズムの存在が示唆された。さらに、これまでの子嚢菌類の二次代謝制御機構の知見に加えて、新規の二次代謝制御に関わる候補タンパク質が見出された。これらの成果は、菌類の二次代謝制御機構の理解を深める上で重要な知見となるとともに、サナギタケが産生する抗腫瘍活性をもつコルジセピンやペプチド系有糸分裂阻害剤であるウスチロキシンなどの有用物質の効率的な生産方法の開発などにつながる可能性がある。
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