研究実績の概要 |
緑膿菌とアシネトバクターバウマニを培養し、その周辺空気の赤外吸収スペクトルを測定した結果を、他の気体試料の場合と比較し、緑膿菌とアシネトバクターバウマニ、さらに黄色ブドウ球菌、それぞれの特徴を見出すことができた。これらの結果を以下の2報にまとめた。 1, Masato Yamamoto, et al. Classification of gases around Pseudomonas aeruginosa and Acinetobacter baumannii by infrared spectroscopy, Journal of Microbiological Methods, Volume 196, 2022, 106474. 2, Honda H, et al. Decision tree-based identification of Staphylococcus aureus via infrared spectral analysis of ambient gas. Anal Bioanal Chem. 2022 Jan;414(2):1049-1059. 菌周辺気体の赤外吸収スペクトルには、大気中に放出される物質群の菌種ごとの分布・特徴に関する情報が潜在的に含まれていると考えられる。現在は、これらの特徴が他の種類の生体ガス試料に見いだされないか調べている。具体的にはヒトの呼気やマウスの糞尿がついた床敷き周辺空気である。条件を整理しながら、菌の種類や複数の菌種分布がどのように現実のにおう気体に反映されているのか、赤外吸収スペクトルの解析を通じて見出していく予定である。
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