本研究は、我々が見出したヌクレオシド由来のJulia-Kocienskiスルホンを基質とするドミノ反応が、5員環糖や6員環糖由来のスルホンに適用可能か、どの様な求核剤が導入可能か、の2点について検証し、幅広い光学活性不飽和環状炭化水素の立体選択的合成法へと発展させることを目的とした。まず、D-リボースから誘導したスルホンと核酸塩基との反応を試み、種々の核酸塩基からシクロペンテン誘導体が得られることを見出した。加えて、種々のアルドペントース、ヘキソース、ケトースを出発物質とするスルホンの合成を達成し、同様のドミノ反応によってシクロペンテン、シクロヘキセンが生成することを見出した。
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