研究課題
カンピロバクター(C. jejuni)は、極めて高い運動性を有し、表面から食品内部へ移動することから、食中毒の防止にはC. jejuniの運動性を阻害することが有効である。2021年度では、従来の2次元での細菌の運動性評価ではなく、ろ紙を利用し食品中への移動を想定した細孔中での3次元条件下でのカンピロバクターの運動性+バイオフィルム(BF)形成能の評価方法の確立ができた。2022年度においては本法を利用し、C. jejuniの運動性の阻害に有効な天然抗菌物質等のスクリーニングを揮発条件下で行った。オレガノワイルド、タイムチモール、ユーカリ油、カルバクロールは揮発してC. jejuniの運動性を阻止した。一方、消毒剤として使用されているアルコール及び次亜塩素酸NaはC. jejuniを阻止できず、ろ紙上にコロニー形成が確認された。以上の結果より、本評価方法によりC. jejuniの運動性阻害物質のスクリーニングが可能であった。2023年度においては、使用条件の検討として、噴霧条件での実験も行い、タイムチモール、オレガノワイルドなどのフェノール骨格を有するエッセンシャルオイルおよび香気成分は、噴霧条件下でもC. jejuniの運動性を阻害するのに有効な手段であった。また食肉として鶏肉表面にC. jejuniを接種し揮発条件下での検討を行った。鶏肉表面でのろ紙の使用は、コントロールでもコロニー形成がなく、コロニーカウント法にて効果を検討した。香気成分により、食肉に接種したC. jejuniの低減が認められた。
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Foods
巻: 13 ページ: 370
10.3390/foods13030370
アグリバイオ
巻: 7 ページ: 879-881