機能性を持つ有機態イオウ(S)化合物の含有量を高めることができれば、摂食目的に適う機能性成分高含有野菜を育成することが可能となる。本課題では、アブラナ科植物はS吸収能により余剰Sの分配傾向が異なり、品種レベルで独自のS吸収・S代謝制御機構を有していることを明らかにした。さらに根域S濃度上昇に応答して有機態S化合物合成経路の鍵酵素が活性化され、有機態Sの割合が増加する品種の選抜に成功した。今後、選抜した品種における、S含有量の増加またはS機能性成分生合成経路が促進される時に増加する物質あるいは現象を解析することで、機能性成分高含有野菜の選抜マーカーとしての利用に繋げることができると考えられる。
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