研究課題
基盤研究(C)
発砲スチロール箱内にエチレン受容体結合阻害剤1-メチルシクロプロペン(1-MCP)を包接したα-CD粉末被覆紙から1-MCPを徐放させ、エチレン発生を阻害し、りんごの鮮度保持のための包装箱開発を企図した。本研究では, りんご(王林)を1-MCP包接α-CD粉末被覆紙いり発泡スチロールを用いて、4℃, 15日間 20℃15日間保蔵し、りんごの評価を実施した. 1-MCP包接α-CD粉末の量に応じて、りんごの硬さ、酸度などを改善できた。
食品工学
果実を輸出する際、冷蔵保存中は果実からのエチレン発生はほとんどないが、陸揚げされた際に発生するエチレンは果実の熟成を促進する。本研究は果実の鮮度保持のための梱包箱の開発で, 果実の品質劣化を防ぎ食品ロスを抑止する技術として有用であると考えている。キイとなる技術はシクロデキストリンに包接したエチレン結合阻害剤1-メチルシクロプロペン(1-MCP)を、果実の包装箱の温度ステップ変化の際の水蒸気濃度変化に応じて徐放する特質を利用したものである。本手法はCD包接物質の水蒸気濃度に依存した徐放能を利用したもので、食品鮮度保持のために多くの応用が可能と考えている。