研究課題/領域番号 |
21K05467
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
奥田 徹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10252008)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ワイン / 樽 / 多糖類 |
研究実績の概要 |
R3年度は,樽材の入手,チップ化,トースティングおよびモデルワインによる抽出実験を行った。樽材は,フレンチオーク(トーストしていない樽用ステーブ)をフランスより入手した。また,合わせて,ミズナラ等の国産材についても入手した。これらの材料をチッパーを用いて5mm~1cm程度のチップに加工した。さらに,これをマッフル炉を用いて,105℃で加熱し,時々秤量し,含水率を求めた結果,10%前後であることが分かった。同じ試料を180~250℃程度の温度で10分間トーストし,ワイン用のチップ剤と同程度のトースティング済みのチップを4種類(未トースト,ライトトースト,ミディアムトースト,ヘビートースト)作成した。これをモデルワインに浸漬し,エラジタンニンの抽出の速度を420nmの吸光度より測定した。その結果,抽出は2週間ぐらい続き,ミディアムトーストで抽出量が多く,ヘビートーストでは少ないことが分かった。モデルワイン抽出1カ月後のポリフェノール量をF-C法で測定したところ,ライトトーストの方が抽出量が多く,4 g/L程度のエラジタンニンが測定された。本結果は420nmの吸光度とは異なっており,トーストにより色素成分が生成していると考えられた。得られた溶液中の糖成分をABEE法で誘導体化し,HPLCで定量したところ,キシロースなどが主要成分として検出された。糖類についてもミディアムトーストぐらいで抽出量が多いようで,ヘミセルロースなどが分解していることが考えられた。現在,GPCにより糖類の分子量測定を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
チップの作成,抽出実験などは概ね順調であるが,予想以上に単糖やオリゴ糖が多い可能性が示唆されている。詳細は,今後の実験で確認する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
GPCによる分子量の確認と並行して,透析による分子量分布の確認も行う予定である。ワインにチップを浸漬する予備試験を行ったが,香りから判断したところ,樽材由来の香り(バニリンや焦げ臭など)が確認できており,トーストの条件としては問題は無いと判断している。今後,低温で長いトースト条件などについても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
価格が予定値と一致しなかったため,微細な余剰金(18円)が発生した。この余剰金はR4年度の使用する予定である。
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