ワイン用樽材からワイン様アルコール溶液(モデルワイン)に抽出される糖類について定量的な実験を試みた。樽材をチップ化した後に様々な温度でトーストし,これをモデルワインに21日間浸漬した。得られた抽出液の糖類を測定したところ,70 mg/L程度の糖類が抽出された。これらの糖類の組成を調べたところ,トースト条件により大きく組成が異なり,トーストがワインの品質に影響を与える可能性が示唆された。抽出された糖類には,単糖類がかなりの濃度(15 mg/L程度)存在し,これらが樽の微生物汚染に影響する可能性が示唆された。また,多糖類と思われる成分が40 mg/L程度含まれていた。
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