2050年には世界人口は93億人に達すると推測され、人口増加に見合った食糧増産が見込めず食料(タンパク質)危機に陥ると危惧されている。対策として、植物性食品や昆虫食などを用いた代替え食品が開発されているが、動物性食品を主要な供給源とするビタミンB12(B12)は、必須栄養素であり、植物性食品の代替え食品ではB12不足、欠乏状態となることが予想される。本研究は、植物性食品である食用ラン藻スピルリナなどを用い、ラン藻がヒトにおいてビタミンとして機能しないシュードビタミンB12を合成することに着目し、その合成経路をB12合成能に変換し、B12を有する食用ラン藻を作出し、将来の食資源の確保を目指した。
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