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2021 年度 実施状況報告書

植物ステロール酸化物の体内動態と有害作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K05475
研究機関明治大学

研究代表者

長田 恭一  明治大学, 農学部, 専任教授 (30271795)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード植物ステロール / 酸化植物ステロール / 酸化コレステロール / 細胞毒性
研究実績の概要

主要な植物ステロールであるbeta-sitosterol、campesterol、stigmasterol、brassicasterolを同じ条件で加熱して酸化させて生成した酸化物のレベルについてcholesterolの加熱酸化の場合と比較した。その結果、stigmasterolが最も酸化されやすいことが明らかとなった。その他の植物ステロールはbrassicasterol、beta-sitosterol、campesterolの順で酸化されやすいことが明らかとなった。また、cholesterolはbrassicasterolよりも酸化されにくく、一方でbeta-sitosterolよりは酸化されやすいことが明らかとなった。生成した酸化物を調べたところ、stigmasterolが酸化されるとepoxysterolが生成されやすく、brassicasterolが酸化されると7beta-hydroxysterolが生成されやすく、beta-sitosterolの場合は7-ketosterolが生成されやすいことが明らかとなった。
酸化植物ステロール混合物の作成については、180℃で加熱し、ステロールが溶解して茶褐色となった加熱物をシリカゲルカラムに供してジエチルエーテルとメタノールを用いた溶媒分画で比較的多量に作成することが可能となった。なお、作成した酸化物の純度は90%を超えていた。
GC及びGCMS分析方法についてはそれぞれ標準物質の酸化物を精製して機器の供し、溶出時間ならびにマススペクトルから適切に同定できる条件を確立した。
酸化植物ステロ―ルの毒性については、ヒト結腸腺癌由来のDLD-1細胞を用いて検討したところ、細胞毒性を示すことや炎症反応を示すことも明らかとなったが、その毒性はcholesterolの酸化物と比べると弱いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

酸化植物ステロールの多量作成方法が確立され、また、GCMS分析による微量定量も可能になっている。さらに、細胞を用いて酸化植物ステロールと酸化コレステロールの細胞毒性も評価することができている。このように初年度計画は順調に進めることができた。

今後の研究の推進方策

酸化植物ステロール及び酸化コレステロールを個々に人工的にエマルション化してマウスの胃内に強制投与し各酸化植物ステロールの体内移行性の違いと酸化コレステロールとの移行性の違いを調べる。
また、酸化植物ステロールをラットに長期間投与した後に解剖して得た血液と種々の臓器、内における酸化物のレベルを解析し臓器別の蓄積性の違い、ならびに酸化植物ステロールを胃内強制投与した後に脳組織への移行性を把握する。
さらに、植物ステロール由来酸化物を低用量あるいは高用量でラットに短期間または長期間摂取させた後に肝臓のコレステロール代謝の変化、また、小腸のコレステロール代謝に関わる種々の因子の変化を調べる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] キサントフモールによるコレステロール酸化物の吸収制御とその効果2021

    • 著者名/発表者名
      石川航也、長田恭一
    • 雑誌名

      脂質生化学研究

      巻: 63 ページ: 90-92

    • 査読あり
  • [学会発表] ゆずポリフェノールのNAFLD予防機能の解明2021

    • 著者名/発表者名
      米山拓良、長田恭一
    • 学会等名
      日本農芸化学会

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公開日: 2022-12-28  

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