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2021 年度 実施状況報告書

腸管IgA抗体の特異性制御を介した多糖の機能性解析と疾患予防効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K05476
研究機関名城大学

研究代表者

近澤 未歩  名城大学, 農学部, 助教 (80757071)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードIgA抗体 / 食品成分 / M細胞
研究実績の概要

腸管は消化・吸収の場であることに加え、多数の免疫細胞が存在しており、免疫応答の場としても重要である。腸管免疫系は常に食事中の成分や腸内細菌などの外的な刺激を受け続けている。腸管の粘膜固有層やパイエル板には免疫細胞が存在し、これらを識別して必要に応じた応答を行うことで、腸管内の恒常性を維持している。「腸管抗体の特異性は、食品成分によって影響を受けるのか」また「食品により抗体特異性を変化させることで、健康状態の維持や疾病予防につなげることは可能か」という点については、アレルギーや炎症性腸疾患など腸における疾患の増加している現代において重要な問いである。
本提案では、食品成分が腸管抗体の産生や特異性に与える影響を明らかにすることを目的に研究を行う。腸管に存在するIgA自然抗体の特異性を網羅的に解析するレパトア解析を基に腸管抗体の特異性と機能性解析を行い、食品成分、内因性抗原などの様々な因子による特異性の変化が健康維持に貢献することを明らかにする。
本年度は腸管免疫に作用することで抗体産生などに影響を与え、健康効果を発揮する食品成分を明らかにすることを目指し検討を行なった。食品成分として多糖に着目し、まず小腸の主要な免疫器官であるパイエル板での作用を想定し、パイエル板上皮に存在するM細胞を透過する多糖について検討を行なった。培養細胞での実験の結果、複数の多糖がM細胞を透過することが明らかとなった。また、マウス脾細胞を用いた多糖のIgA産生誘導活性についても検討を行い、複数の多糖についてIgA産生を誘導させることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していたM細胞透過性の検討、IgA産生誘導能の検討については計画通りに順調に進行しており、それぞれで複数の多糖が活性を持つことを確認している。今後はこの候補成分についての作用機構解析、生体における作用を検討する予定である。

今後の研究の推進方策

M細胞透過性を持つ多糖については透過するメカニズムの解析、関与する受容体などの同定を行うともに、パイエル板における作用について解析を行う。またIgA産生誘導に関わる多糖についてはその作用機構の解析、樹状細胞など他の免疫細胞を介した作用の可能性についての検討を進める予定である。
また、これらの候補分子について、マウスに摂食させた際に抗体の特異性に作用すると予想し、動物実験を行う予定である。実際にマウスに摂食(または投与)した際の抗体産生、免疫細胞への影響、抗体レパトア解析などについて予定している。最終的には生活習慣病などの疾患予防などにつながる抗体産生を誘導するなど、疾患モデルマウスを用いた検討を行うことを想定しており、これについての準備も進める。

次年度使用額が生じた理由

在庫の不足などにより購入できない試薬があったため、次年度にまとめて購入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 糖尿病モデルマウスを用いた疾患が抗体産生に及ぼす影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      近澤 未歩、湊 健一郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
  • [学会発表] 腸管M細胞透過性を有する食品由来多糖の探索2021

    • 著者名/発表者名
      近澤 未歩、湊 健一郎
    • 学会等名
      日本農芸化学会2021年度大会

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公開日: 2022-12-28  

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