研究実績の概要 |
最終年度は、これまでに確認できた線虫の加齢に伴い上昇する蛍光強度(励起370nm,蛍光440nm)が本当にAGEsに由来するものかを確認するため、抗AGEs抗体を用いたELISA法にて測定行った。その結果、加齢に伴いAGEs量が上昇することが示された。これにより、これまでに測定した蛍光強度(励起370nm,蛍光440nm)がAGEs由来の蛍光であることが確認でき、線虫の体内糖化を簡便に把握する方法として線虫タンパク質抽出液中の蛍光測定を行う方法が妥当であると判断した。 さらに、既知の糖化抑制作用のある食品成分として、シソ科に含まれるロスマリン酸、カルノシン酸を線虫に投与し、線虫に対する体内糖化抑制作用を①AGEs由来蛍光強度を指標とした方法、②抗AGEs抗体を用いたELISA法 にて測定した。その結果、ロスマリン酸を投与した線虫のペントシジン、クロスリンに由来する蛍光強度はコントロールと比較して有意に減少し、クロスリンに由来する蛍光強度は減少傾向を示した。ELISA法によるAGEsも有意に減少した。カルノシン酸を投与した線虫のペントシジンに由来する蛍光強度はコントロールと比較して有意に減少し、ピロピリジン、クロスリンに由来する蛍光強度は減少傾向を示した。ELISA法によるAGEsはほぼ変わらなかった。以上のようにロスマリン酸、カルノシン酸の体内糖化抑制作用を線虫を用いて簡便に評価すること可能であった。
|