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2022 年度 実施状況報告書

マイトファジーの誘導から分解に至る一連の分子機構と生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K05500
研究機関新潟大学

研究代表者

古川 健太郎  新潟大学, 医学部, 医学部准教授 (20754493)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードミトコンドリア / オートファジー / マイトファジー / 酵母
研究実績の概要

ミトコンドリアを選択的に分解するマイトファジーは、酵母からヒトまで広く保存されたミトコンドリアの品質管理機構である。酵母において、カゼインキナーゼ2によるミトコンドリア外膜タンパク質Atg32のリン酸化はマイトファジーの進行に必須であり、このリン酸化はPpg1-Farホスファターゼ複合体によって拮抗的に阻害される。また、リン酸化Atg32が集積する部位がミトコンドリア分裂因子X依存的に局所的に分裂し、最終的に液胞内で分解される。本研究では、Atg32のリン酸化制御機構、ミトコンドリア分裂機構、分解標的となるミトコンドリアに含まれる因子を解明することを目的としている。

2022年度は、主に以下の研究を進めた。①分裂因子Xの論文のリバイスとして、分裂因子X欠損株のマイトファジー非誘導時・誘導時における電子顕微鏡解析および超解像顕微鏡解析を行い、ミトコンドリア形態の詳細な画像を取得した。②ミトコンドリア分裂部位に含まれるタンパク質には偏りがあることを見出した。③昨年度に見出した分裂因子Y(分裂因子Xのパラログ)のポリクローナル抗体を作製し、ProKプロテクションアッセイによる分裂因子Yの検出に用いた。GFP融合体の局在解析とあわせ、分裂因子Yのミトコンドリアにおける局在画分を明らかにした。④マイトファジーにおいて分裂因子Yが必要となる条件を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分裂因子Xの論文が受理されたこと、分裂因子Yの解析が順調に進展していることなどから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

分裂因子Yのマイトファジー誘導時における挙動について詳細に解析する。具体的には、①分裂因子Yと分裂因子X、既知の分裂因子、マイトファジーレセプターとの相互作用の有無、②分裂因子Yの局在変化の有無、③アミノ酸置換変異体を用いたこれらの挙動に重要な領域の決定、などを進める。

次年度使用額が生じた理由

本予算で雇用予定だった研究補助員が退職したため、人件費分の未使用額が生じた。また、参加を計画していた学会にもスケジュールの都合が合わず、旅費分の未使用額が生じた。2023年度は、酵母用の培地と消耗品、タンパク質解析試薬、DNA解析試薬に加えて、成果を論文発表(オープンアクセス費)および学会発表するための費用に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The mitochondrial intermembrane space protein mitofissin drives mitochondrial fission required for mitophagy.2023

    • 著者名/発表者名
      Fukuda T, Furukawa K (co-first), Maruyama T (co-first), Yamashita SI, Noshiro D, Song C, Ogasawara Y, Okuyama K, Alam JM, Hayatsu M, Saigusa T, Inoue K, Ikeda K, Takai A, Chen L, Lahiri V, Okada Y, Shibata S, Murata K, Klionsky DJ, Noda NN*, Kanki T*.
    • 雑誌名

      Molecular Cell

      巻: 83(12) ページ: (in press)

    • 査読あり / 国際共著
  • [備考] 新潟大学大学院医歯学総合研究科・機能制御学分野

    • URL

      https://www.med.niigata-u.ac.jp/mit/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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