真核生物において、可溶性タンパク質が小胞体内へ輸送されるためには、輸送されるタンパク質自身が持つ小胞体シグナペプチド(以下、SPと記載)が必要とされる。ゆえに、SPを持たないタンパク質は小胞体内へ輸送されないと考えられてきた。一方で、SPを持たない一部のタンパク質が小胞体内に存在することが報告されていた。本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因タンパク質の一つであるヒトSOD1を用いた。ヒトSOD1はSPを持たない細胞質局在タンパク質であるが、一部が小胞体内に存在する可能性が示されていた。出芽酵母を用いた解析の結果、ヒトSOD1が小胞体を経て分泌されることが明らかになった。
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