研究課題/領域番号 |
21K05525
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野寺 康之 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (80374619)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 抽苔性 / 性発現 |
研究実績の概要 |
3つの抽苔性QTL領域から見出された候補遺伝子として同定されたシロイヌナズナFTおよびCOホモログの解析を試みた. 2つのQTL qBt3.1およびqBt3.2領域には,それぞれ3および1コピーのFTホモログが座乗しており,昨年の解析では,花芽分化時期にqBt3.1に座乗するFTホモログは日周変動を伴う発現が見出されたが,qBt3.2領域に座乗するホモログは発現がほとんど見出されなかった.R4年度は,これらのFTホモログの強制発現シロイヌナズナを作出し,機能解析を試みた.その結果,少なくともqBt3.1領域に座乗するFTホモログは花成促進機能を有する可能性が確認され,当該QTLの責任遺伝子ある可能性性が示唆された.qBt3.2領域に座乗するホモログの強制発現シロイヌナズナも4株作出し,いずれも花成タイミングが早くなることが示唆された.ただし,調査個体数が少ないので,R5年度に継続して解析する予定である. qBt2.1領域から見出されたCOホモログの発現解析を行った結果,日周変動を伴って発現することが判明した.また,ホウレンソウには,その他にCOホモログが3コピー存在するため,これらの発現解析も併せて行った.その結果,これらのCOホモログはいずれも日周変動を伴う発現が見出された.しかしながら,COホモログのコピー間で日周変動パターンが互いにことなうことが判明した. ホウレンソウにおいて,CO-FT制御カスケードが保存されている可能性を検証するために,早抽系統x晩抽系統F4およびF5世代から,qBt2.1座(CO)が分離し,qBt3.1およびqBt3.2座(FT)が固定された集団を育成した.R5年度はこれらの個体を,FTおよびCOホモログの発現解析に活用する計画である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で注目しているQTL候補責任遺伝子およびそれらの関連遺伝子の発現解析を一通り完了した.さらに,QTL qBt3.1およびqBt3.2領域に座乗するFTホモログの強制発現シロイヌナズナを作出し,機能評価解析についてある程度の目処がついた.さらに,R5年度の解析に用いる植物材料の作出を完了したため.
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今後の研究の推進方策 |
R4年度に得られたデータを補強するために,FTホモログの強制発現シロイヌナズナを追加で作出し,これらの表現型調査を試みる. さらに,qBt2.1領域から見出されたCOホモログおよびその他のCOホモログに関する強制発現シロイヌナズナを作出し,これらが花成・抽苔制御に関わる可能性について検証を試みる. さらに,「研究実績の概要」において述べた早抽系統x晩抽系統交雑後代F4およびF5世代を用いた発現解析を行い,ホウレンソウにおけるCO-FT制御カスケードの保存性について検証を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,QTL候補遺伝子探索に向けてRNAseq解析を予定していたが、アノテーションに基づいてある程度候補を絞り込むことができたため.また,当初の予定よりも学会に参加させる学生数が少なくなったため,旅費が当初見込みよりも少なくなったため.これまで解析の過程で抽苔性に関わる未同定のQTLが存在する可能性が示されたため,その同定に向けてR5年度はQTLseq解析に研究費を充てることを予定している.
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