熊本県では,自然農法の農家を中心に,スクミリンゴガイに雑草の実生を食べさせて除草することが行われているが,そうした水田でも,イネも食害にあって減収の要因となることが多い. スクミリンゴガイによる食害を少なくするには,(1)稚苗よりも中苗や成苗で移植する,(2)にこまるなどの食害されにくい品種を用いる,(3)育苗時の窒素肥料は適量に留める,(4)育苗時にけい酸資材を投与する,などの方策があり,とくに,けい酸資材の利用が,イネ苗を硬くし,移植後の食害を軽減するのに有効と考えられた. また,収穫後は,耕起せずに土壌硬度を保つことで,水田土壌内で越冬するスクミリンゴガイの個体数を減らすことができる.
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