食用ハス(レンコン)の実生栽培において、窒素12kg /10aの施肥量が最適な施肥量であることを明らかにした。最適な施肥量で食用ハスを長日条件あるいは短日条件で栽培し、根茎の頂芽を採取し、植物ホルモンに着目し発現量解析を進めた。RT-PCRの結果、GA20oxは5種以上、GA3oxは3種以上、GA2oxは5種以上の遺伝子の発現が確認された。一方、ZEPは1種以上、NCEDは1種以上、SDRは1種以上、AO遺伝子は1種以上、ABA8’-OHaseは5種以上の遺伝子が発現していた。 トランスクリプトーム解析の結果、食用ハスにおいて、23778遺伝子のうち長日条件5週間の頂芽(非肥大根茎の頂芽)では628遺伝子、短日条件2週間の頂芽(肥大根茎の頂芽)では429遺伝子について特異的な発現が認められた。また、植物ホルモンの発現量に着目すると、GA20oxでは4種、GA3oxでは5種、GA2oxでは8種、ZEPでは3種、NCEDでは5種、SDRでは10種、AO遺伝子では8種、ABA8’-OHase では7種の遺伝子の発現が確認された。そのうち、ジベレリンでは処理区にかかわらず生合成酵素遺伝子の発現量に顕著な差はなく、代謝酵素遺伝子の発現量が長日条件に比べ短日条件で顕著に増加していた。一方、アブシジン酸では、2種の生合成酵素遺伝子と2種の代謝酵素遺伝子において、長日条件に比べ短日条件で顕著に増加していた。 テッポウユリおよびタカサゴユリの実生を5月中旬に定植し、1週間ごとに展開葉数を調査した結果、テッポウユリでは早いもので定植6週間後から休眠に入る個体から定植14週間後から休眠に入る個体まで観察され、休眠導入時期にばらつきがあった。一方、タカサゴユリでは休眠に導入することなく、抽苔・開花まで順調に展開葉数を増加させた。
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