花弁の光応答着色における分子制御基盤の構築

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21K05581
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分39030:園芸科学関連
• 研究機関: 東京農業大学
• 研究代表者: 田崎 啓介 東京農業大学, 農学部, 准教授 (80733419)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: アントシアニン / フィトクロム

研究成果の概要

リンドウの花弁におけるアントシアニン蓄積を制御する光応答経路の分子機構を探索した。LED光源を用いた実験において、青色光および赤色光は花弁のフラボノイド生合成経路の早期遺伝子群の発現を誘導した一方で、遠赤色光は青色光による早期遺伝子群の発現を阻害した。赤色光および遠赤色光に対する早期遺伝子群の発現応答から、フィトクロムを介する抑制的な制御経路が青色光による着色促進経路に干渉していることが示唆された。

自由記述の分野

園芸科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、花の重要形質であるアントシアニンの蓄積の仕組みについて、光応答性の観点から明らかにするものであり、得られた知見は園芸作物の安定着色に繋がる生産および育種技術の開発への活用が期待される。また、本研究を通じて光受容体を介した植物の環境検知と生理応答の理解を深めることで、様々な農業形質に関する研究にも貢献することが期待される。