研究課題/領域番号 |
21K05641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 公益財団法人山階鳥類研究所 |
研究代表者 |
富田 直樹 公益財団法人山階鳥類研究所, その他部局等, 研究員 (90619917)
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研究分担者 |
江田 真毅 北海道大学, 総合博物館, 教授 (60452546)
出口 智広 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (60414091)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アホウドリ / 鳥島 / 尖閣諸島 / 保全単位 / 非繁殖期 / 繁殖タイミング |
研究成果の概要 |
隠蔽種が明らかとなったアホウドリ2タイプ(鳥島タイプと尖閣タイプ)が,鳥島に同所的に繁殖している状況を利用して,2タイプ間の非繁殖期の利用海域の違いや,繁殖開始や渡り時期のずれなど交尾前隔離にかかわる生態的要因について,個体レベルで直接検証し,保全単位の再検討を目指す.本研究によって,鳥島タイプと尖閣タイプの非繁殖期の利用海域は分断傾向にあることを明らかにした.また,遺伝子解析によって,鳥島では過去に両タイプ間で交雑は確認されていたが,その頻度は低く,生殖隔離が歴史的に強化されていることを示唆した.
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自由記述の分野 |
鳥類生態学,保全生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海鳥では,同じ繁殖集団でも非繁殖地が異なる例が多く,複数の保全単位からなる可能性が高い.アホウドリは一つの保全単位として,絶滅確率などが計算され,それに基づき保全戦略がたてられている.遺伝的特性から二つの保全単位からなる可能性があるが,本研究は生態的特性から二つの単位として扱うべきか検討した.非繁殖地ごとに汚染や混獲などのリスクが大きく異なる場合,同じ繁殖地の集団でも保全単位ごとにこれらのリスクに応じた対策をとる必要が出てくる.これは,保全を必要とする渡り性の鳥類すべてにあてはまる問題であり,応用範囲は広い.
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