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2022 年度 実施状況報告書

吸収関与遺伝子の解析に基づく低セシウムきのこの作出

研究課題

研究課題/領域番号 21K05679
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

小松 雅史  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90737313)

研究分担者 宮崎 安将  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40343800)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードセシウム / 栽培きのこ / 吸収
研究実績の概要

同種内でCs吸収能が異なる株を探査するため、ナメコ野生株を菌床栽培した子実体を採取し、安定同位体セシウム(133Cs)濃度を分析した。43株の子実体の分析を行った結果、最小の安定同位体セシウム濃度は0.16mg/kgであった。一方、最大では3.18mg/kgとなり、菌株によって20倍の濃度差があることが示された。特に4株の133Cs濃度が突出して高く、これらを高吸収株とみなした。
セシウムと同族のルビジウム(Rb)濃度の関係をあわせて分析した。高吸収株以外の通常株のみで見ると133CsとRbの濃度に正の相関が認められた。この結果はセシウムの吸収能はルビジウムの吸収能力によって説明されることを示している。一方、高吸収株内でも133CsとRbの相関が認められたが、通常株とは回帰直線の傾きは異なり、同程度のRb濃度に対して明らかに133Cs濃度が高くなっていた。このため、高吸収株はRbの吸収能力だけでは説明できない、通常株とは異なるCs吸収メカニズムがあることが示唆された。このような株のRNA-seqを行うことできのこのCs吸収に関わる遺伝子が判明することが期待された。今後高吸収株に着目して栽培試験を行い、発生次第RNA-seqの試験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

セシウム高吸収・低吸収の性質を持つ有望な株を見つけ、RNA-seqを実施することで候補遺伝子を見つけることを年度内の目標としていたが、セシウムのスクリーニングに用いた株はRNAが失活した状態であったため、再度栽培する必要が出た。再度の栽培には時間を要するため、年度をまたぐ結果となった。

今後の研究の推進方策

高吸収株に着目して栽培試験を行い、RNA-seqを行うことでCs吸収に関与する遺伝子の探索を行う。
セシウム吸収に関与が示唆された遺伝子の組換え試験を行い、低吸収株/高吸収株の検証を行う。

次年度使用額が生じた理由

RNA-seqを行うための予算を確保していたが、有望株のRNAを入手するために再度栽培試験を行う必要があり、次年度に計画が移ったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Analysis of 137Cs concentration in wild mushrooms and plants using radioactivity data brought by residents2022

    • 著者名/発表者名
      Masabumi Komatsu
    • 学会等名
      International Conference on Radioecology & Environmental Radioactivity
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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