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2022 年度 実施状況報告書

気候変動下における森林の水源涵養機能の持続性と限界点の評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K05681
研究機関滋賀県琵琶湖環境科学研究センター

研究代表者

鶴田 健二  滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 研究員 (70638593)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード蒸発散 / 流域水収支
研究実績の概要

気候変動下における森林の水源涵養機能の持続性と限界点を評価するため,本年度は長期気象データの再整備及び長期蒸発散データの解析を行った.
近年の気象データ実測値の補正作業を行ったため,それに伴い,昨年度推定した過去の気象データを再整備した.再整備を行った気象要素は,日射量,気温,湿度,大気飽差である.その結果,試験地において気温は上昇する傾向にあるものの,湿度には明瞭なトレンドは認められなかったため,大気飽差は上昇する傾向(大気が乾く方向)にあった.
気象データの再整備に伴い,研究協力者とともに蒸発散データの再補正作業を行うとともに解析を行った.解析に用いたのは2001年~2020年までの20年分のデータである.20年間で蒸発散量は約100mmの変動があり,変動係数は約4%であった.一方で降水量の20年間の変動係数は約14%であり,蒸発散量は比較的安定していた.
今後は,20年間の蒸発散変動を生態系モデルを用いて再現可能にするとともに,過去の気象データ,試験地の森林構造データ(樹高,材積など)などを入力データとして,森林成立時からの蒸発散量の変化を再現する計画である.
さらに,流出量の計算を行うために,流出モデルの改良を行う.以上で推定した蒸発散量が入力データとなるモデル構造とすることで,気象,森林構造の長期的な変化に伴う流出量の変動を明らかにする.
試験地の流出量データは1972年から利用可能である.特に近年の流出量データについては,研究協力者とともにデータの補正作業を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終的なモデル解析に必要なデータセットの整備が完了したため,研究課題はおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

今後は長期的な流出量変動の実態を明らかにするとともに,既存の流出モデルを,気象に加え森林構造の変化も加味したものへと改良する計画としている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Are calibrations of sap flow measurements based on thermal dissipation needed for each sample in Japanese cedar and cypress trees?2022

    • 著者名/発表者名
      Shinohara Yoshinori、Iida Shin’ichi、Oda Tomoki、Katayama Ayumi、Tsuruta Kenji、Sato Takanori、Tanaka Nobuaki、Su Man-Ping、Laplace Sophie、Kijidani Yoshio、Kume Tomonori
    • 雑誌名

      Trees

      巻: 36 ページ: 1219~1229

    • DOI

      10.1007/s00468-022-02283-3

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ヒノキ林における過去20年間の蒸発散変動―渦相関法および多層モデルを用いた解析―2023

    • 著者名/発表者名
      神谷有咲, 小杉緑子, Jiao Linjie, 坂部綾香, 鶴田健二
    • 学会等名
      日本農業気象学会 2023年全国大会
  • [学会発表] 38年後の崩壊跡地調査から推測した花崗岩山地ゼロ次谷の流出機構2022

    • 著者名/発表者名
      谷 誠, 太田 明, 小島永裕, 鶴田健二
    • 学会等名
      水文・水資源学会 / 日本水文科学会 2022年度研究発表会
  • [学会発表] Long-term trend in catchment water balance of a Japanese cypress forest2022

    • 著者名/発表者名
      Kenji Tsuruta, Yoshiko Kosugi, Masanori Katsuyama
    • 学会等名
      American Geophysical Union Fall Meeting 2022
    • 国際学会
  • [備考] 視点論点 森を巡る水を科学する

    • URL

      https://www.lberi.jp/read/publications/news/no36_shitenronten

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公開日: 2023-12-25  

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