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2023 年度 実績報告書

高齢林の成長は持続する?:林業経営への応用のための新・旧仮説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K05695
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

西園 朋広  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353797)

研究分担者 福本 桂子  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (30822712)
高嶋 敦史  琉球大学, 農学部, 助教 (40433099)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード高齢林 / スギ林 / 天然林 / 固定試験地 / 成長量
研究実績の概要

最終年度において、関東中部地域の人工林固定試験地データを解析した。その結果、スギ林の成長量は若齢時に増加し30-50年にピークがあることがわかった。また、秋田天然スギ林に設置された固定試験地と隣接する人工林に設置された固定試験地における長期モニタリングデータを比較した。その結果、林齢200年以上の高齢天然林の材積成長量は平均で10.0(m3/ha/yr)程度であり、林齢90~100年の近隣の人工林よりやや小さかった。しかし、ゼロではなかった。つまり、枯死による本数減少がなければ、林齢200年以上の高齢期でも林分材積は増加することがわかった。
森林の成長は若齢時にピークに達した後に,長期的に低下し最終的にゼロに収束すると考えられてきた(仮説1)が,最近の森林生態学では最大に達した後に低下することなく攪乱を受けない限りは成長が持続するという考え(仮説2)が支持されつつある。わが国における既往研究では,仮説1・仮説2のどちらも支持しない結果が得られており,両者の中間に適切な考え(仮説3)がある可能性を示唆している。本課題では,期間全体において、スギ林を対象に,長期モニタリングデータを用いてこれらの仮説を検証した。まず,スギ人工林の長期モニタリングデータを用いて若齢期のピークの有無を調べた。次に,スギの高齢人工林・高齢天然林の長期モニタリングデータを用いて高齢期に成長は低下してゼロに収束するかどうかを調べた。両者の結果は、全般的に、仮説3を支持していた。スギ以外の樹種について検討を進めることが今後の課題である。

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公開日: 2024-12-25  

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