本研究では、美味しいナメコ生産への道を開くための技術的な基盤の構築を目指し、味認識装置による味の数値評価、いわゆる「日本産ナメコの味の見える化」によって味に特徴のある優良育種素材の選定に取り組んだ。その結果、日本国内から採取した野生株から美味しいナメコの優良育種素材5系統を選抜した。次に、旨味値、苦味雑味値、旨味コク値を用いて主成分分析を行い、その結果を図示して菌株間の味の特徴を分けることができた。さらに、これらを基に考察したところ、ナメコの味に一定の地域間差が認められ、評価基準である「苦味雑味値が小さく旨味値が大きい」に最も適合する菌株の比率が高い県は石川県であることが分かった。
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