研究課題/領域番号 |
21K05761
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
山本 祥一郎 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主幹研究員 (20392897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サケ科魚類 / 環境DNA / 中禅寺湖 / 上高地 |
研究実績の概要 |
本課題は、在来サケ科魚類および日本に定着した外来サケ科魚類各種を対象として、環境DNAデータを用いた魚類の空間分布の把握や資源量推定に必要な基礎データ「生物から環境中への環境DNA放出量、環境DNA分解速度」を室内実験により取得するとともに、モデル水面に設定した湖沼・河川において多地点採水調査、環境計測をおこない、環境DNAデータがサケ科魚類各種の資源量推定に適用可能かどうかを検討する。本年度は以下の室内実験、野外調査を実施した。①主に文献調査により、サケ科魚類各種「ヒメマス、ホンマス(サクラマス)、イワナ、ニジマス、ブラウントラウト、カワマス、レイクトラウト」についてプライマー、プローブ配列を整理し、それぞれの種についてリアルタイムPCRによる種特異的な増幅を確認した。②ヒメマス、ホンマス、ブラウントラウトを実験水槽(300L、水温10℃)に畜養し、「魚体からの環境DNA放出量」「水槽内の環境DNA分解速度」がほぼ平衡となる濃度を求めた。その結果、いずれの魚種も大型個体ほど平衡濃度が高くなる傾向が認められた。③栃木県中禅寺湖において、500mグリッド状に地点を設定し、それぞれの地点で表層、10m層、20m層での採水調査を行った。ブラウントラウト、レイクトラウト、ヒメマス、ホンマスについて定量PCRを行ったところ、ブラウントラウト、レイクトラウトともに、湖岸寄りの地点で濃度が高い傾向が見られた。またレイクトラウトでは水深20m層の地点で高濃度の検体が多かった。ヒメマス、ホンマスについては環境DNAが検出されない地点がほとんどであり、検出されても低濃度であった。④長野県上高地を流れる2河川でブラウントラウト、カワマス、イワナを対象に、流程に沿った生息密度推定調査、採水調査、定量PCRを行った。分析データの解析は次年度以降に行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サケ科魚類各種を対象とした室内実験、モデル河川・湖沼での採水調査、遺伝子分析は計画に従い順調にスタートした。遺伝子分析未実施のサンプルが少数発生したが、次年度以降に分析できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度扱えなかった魚種について、環境中への環境DNA放出量を評価する室内実験を行う。モデル水面に設定している中禅寺湖、上高地の河川において、今年度と同様の採水調査を継続し、各魚種について環境DNA濃度の空間分布を調べるとともに、その時間的推移を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の遺伝子実験はほぼ計画通りに進んだが、予算を完全に使いきることができず若干の未使用額が生じた。これらは、次年度の遺伝子試薬等の購入にあてる。
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