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2023 年度 実績報告書

魚肉水溶性画分に含まれる抗炎症タンパク質の機能解析と非感染性疾患予防への活用

研究課題

研究課題/領域番号 21K05765
研究機関北海道大学

研究代表者

佐伯 宏樹  北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (90250505)

研究分担者 趙 佳賢  北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80829052)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード魚肉タンパク質 / 抗炎症 / 炎症 / 肥満 / 肝障害 / メイラード反応
研究実績の概要

スケトウダラ水溶性タンパク質(WSP)が非感染性疾患に対応する食品素材となる可能性を,原料特性と機能解析の両面から検討し,次の知見を得た。(1)原料管理に関わる重要な知見:WSPの主要4成分を同定するとともに,WSPの抗炎症機能が魚肉の原料鮮度に関わらず,また実際の工場ライン廃液でも保持されていることを明らかにした。さらに,主要4成分のうちで魚肉の主要アレルゲンであるパルブアルブミンはESPの抗炎症機能を担う主要成分ではないと判断した。パルブアルブミンは他成分と分画が容易であることから,WSPの低アレルゲン化が可能と判断した。
(2)非感染症疾患の予防効果:ラットまたはマウスを高脂肪高ショ糖食(HFHS)で2ヶ月以上飼育し,食事誘導性肥満を惹起させた。その際,全タンパク質の1/2をWSPに置換すると,食事誘導性肥満が抑制されることを確認した。このとき,肝臓TGと血中AST濃度の上昇が抑制され,肝臓におけるアディポネクチンとレプチンの分泌異常(脂肪組織における関連遺伝子の発現量に裏付けられている)も抑制傾向を示した。さらに,食事誘導性肥満を誘導したマウスに対してLPSとD-ガラクトサミンを投与して非アルコール性脂肪肝炎と類似の症状を惹起させたが,WSPによって肥満状態下でも抑制されていた血中AST濃度の上昇は,そのまま抑制状態を維持していた。以上の結果は,食事誘導性肥満の抑制と非アルコール性肝炎予防の可能性を示唆している。
(3)WSPへの糖鎖導入効果:タンパク質の抗炎症機能改変に実績のある糖鎖導入の試み:in vitro での改変作用は確認できたが,in vivo実験では,健康機能の増強は生じなかった。よってWSPの活用における糖鎖導入の必要性はないと判断した。
以上,本研究の当初目標はほぼ達成され,今後の研究に資する有益な学術情報を得ることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スケトウダラ水溶性タンパク質の摂取による食事誘導性肥満の緩和2023

    • 著者名/発表者名
      島田 周,趙 佳賢,佐伯宏樹
    • 学会等名
      第77回 日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] The water-soluble protein from walleye pollock attenuates obesity induced by high-fat, high-sucrose diet.2023

    • 著者名/発表者名
      Shu Shimada, Hiroki Saeki, Ga-hyun Joe
    • 学会等名
      The 10th international symposium of East Asia Fisheries Technologists Association

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公開日: 2024-12-25  

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