クルマエビの雄性生殖組織に特異的に存在するD-グルタミン酸(D-Glu)の生理機能を解明するために、クルマエビの成長過程におけるD-Gluの分布を明らかにした。その結果、D-Gluは受精卵からは検出されず、孵化後の各ステージにおいても検出されなかったが、精巣が形成された80mm程度の個体の精巣において検出された。したがって、性成熟にともないD-Gluが精巣で生合成されていることが明らかとなった。また、精包を人工摘出すると、D-Glu含量の増加が認められたことから、精包の再生過程においてD-Gluが積極的に生合成されているものと考えられた。
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