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2022 年度 実施状況報告書

チョウザメのメタボロミクスに基づいた肉・卵の高付加価値化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K05782
研究機関広島大学

研究代表者

長沼 毅  広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (70263738)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードチョウザメ / メタボローム / メタボロミクス / 乳酸 / ベタイン
研究実績の概要

初年度(2021年度)は実験魚としてベステルチョウザメの仔魚(1歳魚)20尾を購入し、実験区および対照区で10尾ずつ飼育し、対照区には市販のニジマス餌を投与し、実験区には同じ餌に乳酸添加したもの(餌重量に対し乳酸5%)あるいはベタイン添加したもの(餌重量に対しベタイン5%)を投与して飼育した上で、各実験区で体重の重いものから3個体について2回採血した。採った血液はメタボローム解析に供し、ターゲット代謝産物(メタボライト)184種の網羅的なデータを得た。
2年目(2022年度)は乳酸とベタインを同時投与して飼育した上で、2回の採血およびメタボローム解析を行ったほか、2回目の採血後には実験区5個体、対照区5個体について肉・脂・腸の組織を採取し、メタボローム解析に供した。2021年と2022年度のメタボローム・データを合わせて、現在、総合的な解析を行っているところであり、その解析結果を検討・考察した上で論文発表する予定である。
また、残った個体については、試薬としての乳酸やベタインではなく、食品産業からの副産物の利用、具体的には商業的な乳酸菌培養で発生する「培養上清」および甜菜(てんさい)を原料とした製糖工程で発生する「廃糖蜜」を添加した餌の投与に着手した。乳酸菌の培養上清には乳酸約1%と各種有機酸が含まれており、甜菜からの廃糖蜜にはベタイン約40%と各種有機酸が含まれているので、これらを利用することで廃棄物の資源化を図ることができ、SDGsへの貢献を期することができる(そもそもベタインという物質名はそれが得られた甜菜の学名Beta vulgarisに由来する)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り飼育実験とメタボローム解析を行って十分なデータを得ることができたほか、食品産業からの発生物(廃棄物)を資源化する方向性も得ることができたため。

今後の研究の推進方策

それまでの試薬としての乳酸およびベタインの添加を終えて、2022年2月から食品産業からの発生物としての乳酸含有物およびベタイン含有物の添加を開始した。この効果が現れると想定される2023年6月頃に2023年度1回目の採血を行い、メタボローム解析に供する。この採血後、乳酸含有物とベタイン含有物の同時投与を開始し、2023年11月頃に2回目の採血および肉・脂などの組織採取を行い、メタボローム解析に供する。これらのデータ解析が終わった時点で、適宜、論文として成果を公表する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が発生したものの「68円」ときわめて少額であり、ほぼ使用計画通りであると考えて問題はないと思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Profile of Lipids in Meat, Fat, and Egg of Siberian Sturgeon2022

    • 著者名/発表者名
      Naganuma Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of Food and Nutrition Research

      巻: 10 ページ: 642~654

    • DOI

      10.12691/jfnr-10-10-2

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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