近年,国内の小麦主産地では小麦の新品種導入・品種転換の動きが活発化しているが,その動きは一様ではない。パン・中華麺用として需要が高まっている硬質小麦への品種転換を行っている産地もあれば,硬質小麦の需要の停滞を見越して軟質小麦間の品種転換を行っている産地もある。また,地域における農商工携の下,地場産小麦製品として地域にアピールできる品種を導入する産地もある。 ただし,そこには,(ア)小麦の生産者手取額や作りやすさに関する視点,(イ)実需者の要望への対応や実需者と一体となった商品開発等の需要の確保・拡大という視点,という2つの視点が各産地の動きの軸になっているという共通性を指摘することができる。
|