研究課題/領域番号 |
21K05795
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中島 亨 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (60641553)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 消費者需要 / マーケティング / 機械学習 / 計量経済学 / 強い農業 |
研究実績の概要 |
今日の我が国の農業においては、生産者の収益性向上や生産基盤の強化により「強い農業」の実現が目指されており、その実現のためには、生産者が消費者や実需者のニーズを的確に把握することがますます重要となっている。本研究は、日用食料品やブランド農産物、認証農産物、輸出促進農産物などに対する消費者需要を解明することで、「強い農業」の実現にとって有益な生産者の行動戦略を提示することを目的とする。その際、機械学習の手法を用い、従来の方法よりも精度の高い分析を行う。 強い農業を実現する上では、農産物の安定供給、輸出を見据えた農産物の生産、高付加価値化および製品差別化が有益であると考えられるため、日用食料品、輸出促進品目、高付加価値財、差別化財の4種類の食品について検討する。また、上記目的を達成するため、以下の3つの個別テーマを設定する。すなわち、日用食料品、輸出促進品目、高付加価値財を対象に、食品に関する情報や広告・宣伝活動といった処置が食品需要に与える因果効果を明らかにする「食品関連情報やマーケティング戦略が食品需要に与える因果効果分析」、輸出促進品目、高付加価値財、差別化財を対象に、支払意思額やそれに影響を与える要因の影響(限界効果)を明らかにする「支払意思額とその要因の限界効果分析」、差別化財を対象に、主として需要の価格弾力性に相当するパラメータを導出することで、商品間の競合関係(代替関係)の強さを明らかにする「需要量に影響を与える要因の限界効果分析」の3つである。 本年度は、「食品関連情報やマーケティング戦略が食品需要に与える因果効果分析」および「支払意思額とその要因の限界効果分析」に関する機械学習の手法について研究を行った。また、日用食料品を対象として前者の分析を行うため、データを整備するとともに、予備的分析として、従来の計量経済分析手法による分析を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大等の影響により、データ収集に想定以上の時間がかかったものの、全体としては研究計画から大きく逸脱することなく研究が進展していると判断されるため。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究計画に則って研究を遂行していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国際学会への参加がかなわなかったため、旅費を中心として次年度使用額が生じた。次年度は国際学会が開催される予定であり、それに参加するため、次年度の旅費として使用していきたい。
|