研究課題/領域番号 |
21K05809
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山崎 亮一 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10305906)
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研究分担者 |
新井 祥穂 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40345062)
氷見 理 新潟大学, 自然科学系, 助教 (50845568)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 農業構造 / 地域労働市場 / 雇用劣化 / 新型コロナ不況 / 地域農業システム / 東北型 / 近畿型 / 農村調査 |
研究実績の概要 |
「雇用劣化と新型コロナ危機下における地域労働市場と農業構造の動態変動に関する研究」と銘打って行っている本研究課題は、農村における組織的な実態調査研究活動に基づいて雇用劣化と新型コロナ危機の農業への両面的な作用の結果を探ろうとしている。しかしながら、正に新型コロナが2021年度に猖獗を極めた下で、調査研究活動自体が深刻な障害に直面するに至った。具体的には、2021年度の調査研究サイトは、当初予定していた地域から選択することを、現地の事情から断念せざるをえなくなり、変更を余儀なくされた。そのために、このような活動を受け入れていただく縁を得た新潟県佐渡市を調査地に選定した。幸いにも、2021年12月には、同市の丸山地区に所在している農家30戸程度を対象とした集落調査を実施することができた。現在、その際に得たデータを中間集計表を作成しながら取りまとめを行い、さらにデータを分析する際の手順を決めているところである。当面の分析視角として思い描いていることは、佐渡市の対象地においても、研究代表者達が長野県伊那谷地方で発見した農業生産の担い手となる法人組織の2分化構造---中核法人と衛星法人とへの---が見られることの解明であり、さらにはそうした動向がいかなる地域労働市場・農業構造を背景に持っているかを解析してゆくことである。なお、佐渡調査の分析を主に担当しているのは、本研究課題の分担研究者である氷見理氏(新潟大学)である。 また、研究代表者の山崎亮一は、研究分担者の新井祥穂氏と氷見理氏の協力を得ながら2020年より著作集全5巻の刊行に取り組んでいるところでもあるが、2021年度中には、2020年度の2つの巻の刊行に続いて、第4巻「比較熱帯デルタ農業論」を刊行することができた。当該巻の刊行に当たっての経費や追加的な資料収集・分析のためにも、本研究課題の資金を充当させていただいている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要の中でも記したように、「雇用劣化と新型コロナ危機下における地域労働市場と農業構造の動態変動に関する研究」と銘打っている本研究課題は、農村での組織的な実態調査研究活動に基づいて雇用劣化と新型コロナ危機の農業への両面的な影響を探ろうとしている。しかしながら、正に新型コロナ危機が2021年度には猖獗を極めた中で、調査研究活動自体が深刻な障害に直面するに至った。具体的には、2021年の調査研究サイトは、当初予定していた長野県、青森県、北海道から選択することを、現地の事情から断念せざるをえなくなり、それらからの変更を余儀なくされた。そのため、このような活動を受け入れていただいた新潟県佐渡市を調査対象地として選定し直した。幸いにも、2021年12月には、同市の丸山地区に所在している農家30戸程度を対象としながら集落調査を実施することができた。現在、そこで得ることができたデータを中間集計表を作成て取りまとめを行いつつ、さらにデータを分析する際の手順を決めているところである。 また、研究代表者の山崎亮一は、研究分担者の新井祥穂氏と氷見理氏の協力を得ながら2020年より著作集全5巻の刊行に取り組んでいるところだが、2021年度中には、2020年度の2つの巻の刊行に続いて、第4巻「比較熱帯デルタ農業論」を刊行することができた。当該巻の刊行に当たっての経費や追加的な資料収集・分析のためにも、本研究課題の資金を充当させていただいている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には、昨年12月に新潟県佐渡市の丸山地区に所在している農家30戸程度を対象として実施した集落調査で得られたをデータの分析を行なう。その際、当面の分析視角として思い描いていることは、佐渡市の対象地においても、研究代表者達が長野県伊那谷地方で発見した農業生産の担い手となる法人組織の2分化構造---中核法人と衛星法人とへの---が見られることの解明であり、さらにはそうした動向がいかなる地域労働市場・農業構造を背景に持っているのかを解析してゆくことである。なお、佐渡調査の分析を主に担当しているのは、本研究課題の分担研究者である氷見理氏(新潟大学)である。 だがこのデータを分析するためには補足的な調査を追加的に実施することが必要になる可能性が高いので、2022年秋頃を目途に、引き続き、新潟県における調査を実施することになるであろう。また、当初の研究対象地として予定していた先の3カ所の中から、北海道では来年度に調査研究を行なうことを展望して、本年度中にその予備調査を実施する予定である。 また、2022年度には、本研究課題の調査対象地の一つである長野県・伊那谷地方における長年の研究成果を刊行する予定である。同書の刊行経費や追加的な資料収集のために、本研究課題の資金を充当させていただくことになるであろう。 さらに、研究代表者の山崎亮一は、研究分担者の新井祥穂氏と氷見理氏の協力を得ながら、2020年度より著作集全5巻の刊行に取り組んでいるところであるが、2022年度中には、2020年度の2つの巻の刊行、及び2021年度中の1つの巻の刊行に続き、第5巻「本源的蓄積と共同体」、第3巻「越境する農業構造論:伊那谷、フランス、ベトナム南部」を刊行する予定である。当該2巻の刊行に当たっての経費や追加的な資料収集・分析のためにも、本研究課題の資金を充当させていただくことになるであろう。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定しいた調査活動を新型コロナウイルスの影響下で大幅に変更することを余儀なくされた。つまり予定していたのとは異なる調査地(新潟県佐渡市)で調査を行なうことになったのである。2022年度は佐渡市の調査を継続するとともに、当初予定していた北海道での予備調査を実施することになる。
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