研究課題/領域番号 |
21K05817
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
杉村 泰彦 琉球大学, 農学部, 教授 (80405662)
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研究分担者 |
小糸 健太郎 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (00347759)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 食品ロス / 食品資源循環 / エコフィード |
研究実績の概要 |
本研究課題は、食品ロス削減においてフードバンク等が食品として利用するための品揃え変換を担う中間組織体の役割に着目し、第1に実態調査と分析を通じてそれらの機能を明らかにしようとしている。併せて、第2にそれらの存立基盤について分析し、第3に食品ロスの飼料化における飼料会社の役割と事業継続について解明しようとしている。 当該年度は研究計画の1年目であり、国内調査を中心に、次年度の海外調査の準備を計画していた。このうちの国内調査については、3事例のヒアリングを計画したものの、実施できたのは1事例にとどまった。また、海外調査の準備については、コロナ禍により調査対象の応対が難しく、現地のコーディネータも活動が困難であり、事実上は実施できなかった。 食品ロスの飼料化に関わる調査は、静岡県内の1事例をヒアリング調査した。この事例では、ビール粕などの粕類を中心とした食品残さを主要原料として、サイレージ化したエコフィードを製造している。原料の構成や栄養価の違いにより概ね5種類のサイレージ飼料を製造しており、それらは主として近隣の酪農家へと販売されている。季節変動など原料である食品残さの切り替えには、飼料設計を変更することで対応しているが、いずれにしても食品製造業から排出される安定した食品残さを原料としている。本研究課題の食品ロス再生という観点からは、反すう動物のサイレージ飼料化へと結びつけるには課題は多いといえる。一般的にロットが小さく、構成が多様な食品ロスの飼料化については、次年度以降に他の事例分析と組み合わせて考察する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍にあることを踏まえ、当該年度は国内事例調査を中心としたものの、それも1カ所のみにとどまった。次年度は感染の拡大状況を踏まえつつ、国内事例調査を先行して実施しつつ、後半に向けて海外への調査を模索したい。
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今後の研究の推進方策 |
海外への事例調査については、次年度後半での実施を想定して準備を進める。国内については、移動の制限が緩和されることを前提として、食品ロス再生と飼料化についての国内事例調査を先行して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により国内事例調査の大半、次年度の海外調査準備が実施できなかったため、次年度使用額が発生した。次年度については、新たな配分された金額を加えつつ、事例調査の旅費を中心に使用する計画である。
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