• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

農地再生メカニズムとそこに潜むアントレプレナーシップの多様性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K05822
研究機関公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター

研究代表者

小田 滋晃  公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員(移行) (70169308)

研究分担者 川崎 訓昭  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (10633737)
保田 順慶  大原大学院大学, 会計研究科, 准教授 (10789340)
横田 茂永  静岡県立農林環境専門職大学短期大学部, 生産科学科, 准教授 (70827097)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード耕作放棄地 / アントレプレナーシップ / 地場流通
研究実績の概要

園芸作では、農業者が二次産業・三次産業へ進出し、所得拡大を図る六次産業化は、既に一般的な取り組みとなっている。その中で、消費者満足度の向上、市場競争力の強化、投資リスクの回避などを理由に、六次産業化の一部を外部委託することも一般化してきている。しかし、委託側と受託側とのミスマッチにより、1度きりの連携に終わってしまう事例も少ない。本研究で事例分析により、農業者自身の経営資源では賄えない事業をいち早く見極められ、その事業の受託を通じて農業者の生産活動・販売活動の維持・発展を支援してきた。
特に、特徴的な点は2点あり、1点目が会員の販売方法の意思決定には直接関与せず、意思決定に必要な選択肢を多数提供している点である。2点目が、生産現場のニーズと消費現場のニーズをうまく擦り合わせ、伝え合う役割を果たしている点である。このようなシステムを構築していくことで、地場流通システムの確立に成功してきた。短期間で傷む・腐りやすいという特徴を持つ園芸作物の流通では、卸売市場システムにより効率性・合理性を追求し、生産者から多数の消費者へと分配する仕組みは不可欠である。しかし、その結果、生じた歪みも実際発生している。この歪みに対し、地方に住む農業者自身が対応を目指した地場流通システムが、本研究の事例分析である。地場流通システムそのものは、1990年代から使用される概念であるが、まさに今日の日本農業においてその意義と重要性が改めて増してきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度は、本研究の分析手法の核となる事例分析の事例対象地への訪問が叶わなかった。しかし、研究2年目となる本年度は事例対象地での聞き取り調査だけでなく、農業者を対象としたアンケート調査も実施することができた。

今後の研究の推進方策

研究最終年度となる本年度は、アンケート分析を実施し、耕作放棄地の解消に向けたアントレプレナーの動機およびそれを支えるメカニズムが明らかとなる予定である。

次年度使用額が生じた理由

1年目と2年目に予定した事例対象地での現地調査を、2年目と3年目に行うことになったために次年度使用額が生じている。次年度使用額については、本年度に現地調査を実施して使用する計画である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 農業会計学への社会的共通資本概念の適用可能性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      保田順慶・香川文庸 ・珍田章生
    • 雑誌名

      大原大学院大学紀要

      巻: 17 ページ: 111-125

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Maintaining Agricultural Production by Building Local Distribution Systems in the Northern Area of Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki Noriaki、Washio Tamaki、Nakamura Katsunori、Nagahama Ken-Ichiro
    • 雑誌名

      Land

      巻: 12 ページ: 320~320

    • DOI

      10.3390/land12020320

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 農業者の「納得」が支える地場流通ー農業を一部門として事業化し継承する農業経営体2022

    • 著者名/発表者名
      川﨑訓昭
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 2022Spring ページ: 100-108

  • [雑誌論文] 小菊の計画出荷モデル構築による水田転換2022

    • 著者名/発表者名
      川﨑訓昭
    • 雑誌名

      農業および園芸

      巻: 97(7) ページ: 619-623

  • [雑誌論文] 地域の農地余剰状況と就農経緯を背景とした経営戦略と人材育成ー京都市街地近郊の7経営体を事例としてー2022

    • 著者名/発表者名
      川﨑訓昭
    • 雑誌名

      農村経済研究

      巻: 40-1 ページ: 132-141

    • 査読あり
  • [学会発表] 農業所得計算の再評価~農業と JIT 生産方式のアナロジー~2022

    • 著者名/発表者名
      珍田章生・ 保田順慶・香川文庸
    • 学会等名
      日本原価計算研究学会
  • [学会発表] 醸造用ブドウ産地かわワイン産地への転換上の課題と可能性2022

    • 著者名/発表者名
      川﨑訓昭、鷲尾環、中村勝則・長濱健一郎
    • 学会等名
      日本ブドウ・ワイン学会
  • [図書] 農業イノベーションの挑戦者2023

    • 著者名/発表者名
      南石晃明編著・川﨑訓昭・長濱健一郎
    • 総ページ数
      150
    • 出版者
      養賢堂
    • ISBN
      978-4-8425-0594-7

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi