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2021 年度 実施状況報告書

土壌を極板とする平行板コンデンサーを利用した新しい土壌水分測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K05830
研究機関島根大学

研究代表者

深田 耕太郎  島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (40633178)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードまさ土 / 水分 / コンデンサー / 静電容量 / 水の連続性
研究実績の概要

本研究では、土壌を平行板コンデンサーの極板とするシステムの静電容量を調べることで、土壌中に存在する水分の量や分布などの情報を取り出すことができるか、明らかにしようとしている。18cm×32cmのステンレス板の上に、同じサイズの絶縁用OHPシートを置き、シート上に測定端子を接続するための銅箔テープを貼った。含水比9%に水分調整したまさ土を、縦13cm×横27cm×厚さ6mmの直方体に成型し、銅箔テープに触れるように置いた。このように作製した試料を室内に放置し、自然乾燥させながら、1日1回、質量と静電容量を測定した。いくつかのデジタルマルチメーターを試したところ、機械によって静電容量の値に違いが出ることが分かった。現状では、エヌエフ回路設計ブロックのC/Vコンバータが正確な値を出していると思われる。2枚の金属板を用いた実験より、本研究のシステムは、土壌全体が極板として機能した場合、1.8nFの静電容量を示すと考えられる。実験の結果、静電容量は0.7から1.0nFで変化した。静電容量は試料の乾燥とともに減少した。その変化率は体積含水率が4~5%付近で大きくなることが分かった。土壌水分がある閾値を超えて減少したことにより、水同士の連続性が切れ、極板面積を急激に減少させたと考えられる。乾燥側の水分量を測定対象としているため、水分量を周辺空気の相対湿度で表すことができる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の想定したシステムで実験データが得られることを確認できた。また、複数の測定器を用いて結果を比較し、静電容量の測定方法として妥当だと思われるものを見つけた。ただし、測定方法については今後も検討を続ける必要がある。そして、水分量と静電容量の関係として、興味深い実験結果を得た。考察を深めるために水分量を周辺空気の相対湿度と関連付けるための実験を行いたい。以上の状況から、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

現在進めている実験は、重要なデータが取れていると考えられるため、この方向で実験を進めていく。C/Vコンバータによる静電容量測定の妥当性を検証するために、極板面積を変化させるなど、装置の形状を変えた実験を行う。また、水分量を土壌周辺の相対湿度と関連付けるという可能性について検討するため、湿度を調整したデシケータ内で同様の実験を行う計画である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度の経費が当初の想定より低く抑えられたため、次年度への繰り越しが生じた。今年度の経費と合わせて、試料の形状を変える実験などに充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 土壌中における音波の伝播距離の推定と共鳴法の測定範囲について2021

    • 著者名/発表者名
      深田耕太郎, 難波将希, 木原康孝
    • 雑誌名

      土壌の物理性

      巻: 149 ページ: 13-21

    • 査読あり
  • [学会発表] 共鳴筒の非接触な配置による土壌表層の水分量の推定2021

    • 著者名/発表者名
      深田耕太郎, 木原康孝
    • 学会等名
      土壌物理学会

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公開日: 2022-12-28  

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