研究課題/領域番号 |
21K05869
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
我妻 忠雄 山形大学, 農学部, 客員教授 (70007079)
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研究分担者 |
且原 真木 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (00211847)
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
田原 恒 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70445740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 過酸化水素高分泌性植物 / 樹木フェノリックスー鉄錯体 / 根圏フェントン反応 / 農地・環境の修復 / フェリハイドライト / ヒドロキシルラジカル / 脱窒 / 硝酸ラジカル |
研究実績の概要 |
Fenton反応によるCH4の消去や除草剤atrazine・有機汚染代替物methylene blueの分解を最近明らかにした。それを踏まえ、米ぬか・phytic acidからのPi遊離(有機物利用)も明らかに出来た。更に、「土壌(S)+イナワラ(RS)+合成非晶質酸化鉄2-line ferrihydrite (Fe3+-oxide) (FH) 」区の嫌気・湛水incubation実験でのNO3ラジカル生成による脱窒防止/土壌有機化の可能性が予想された。また、以下の点も明らかになった。①新たに確立したBES-H2O2法により、H2O2濃度の最高値はapoplastで1.7 mM付近、incubate土壌「S + RS + FH」区の溶液中で200 uMであった。②log H2O2濃度(uM) (X)とpH(Y)の関係は、Y = -0.155X + 6.39 (P < 0.001)であり、直線上部領域は、H2O2分解によるH2OとO2の生成エリア、下部領域は、FeとのFenton/Pseudo-Fenton反応による・OH生成エリアと整理された。高pH土壌での化学反応によるH2OとO2の生成は、植物のアルカリ土壌耐性に貢献出来ると考えられた。③ Fe + H2O2系では・OHが、Fe + H2O2 + NO3-系では・NO3が生成することが解った。・NO3は土壌有機物と反応し、脱窒によるN損失・温室効果ガス生成を低減すると示唆された。④H2O2-aquaporinの阻害剤 (AgNO3) 処理で、キク科根の高濃度apoplast H2O2が消失した。根圏の土壌微生物/植物根由来H2O2濃度や有機物、それらとFeとの化学的Fenton/Pseudo-Fenton反応を制御することによって、SDGsに沿った環境修復・地球温暖化阻止・有機物利用を進めることができると期待された。
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