研究実績の概要 |
本研究では,家庭用を想定した小型浄化槽の低炭素化を実現するために,独自設計の流体混合器を用いたマイクロバブルとプラズマを融合した促進酸化法を提案し研究を行ってきた.実用化のためには,気泡界面プラズマ形成機構の理解や高効率化と共に反応を制御することが必要不可欠である.そのため,プラズマ生成条件(印加電圧・電流、溶液ph、気泡径・量)と分解処理速度の関係性を実験により明らかにし,最終的には難分解性モデル物質分解反応の制御に挑む. 本年度は,主に高効率化を目指した装置内部構造の改良を行い,得られた成果は以下の2点である.:(1)放電部形状の改良による酸化処理効率向上,(2)印加電圧・パルス数の違いが酸化処理へ及ぼす優位性 (1)放電部は、これまで1対の銅ねじから構成されていたが,銅棒とその同心円状に設置するワッシャーへと変更した.電極間距離や気液流量条件は同じ条件にそろえた場合,インジゴカルミン水溶液の酸化(脱色)試験において,脱色完了時間を10分短縮できた. (2)パルス数を固定し印加電圧を15,20,25 [kV]と変化させた結果,インジゴカルミン水溶液の酸化(脱色)処理速度は,わずかに早くなる傾向が見られた.また,印加電圧を固定してパルス数を50,150,250 [pps]と変化させた結果,酸化(脱色)処理速度が明確に短縮される傾向が見られ,印加電圧よりもパルス数が酸化処理へ優位に働くことが分かった.
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