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2021 年度 実施状況報告書

集団ゲノミクスを用いた鶏卵成分に関するゲノム基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K05886
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

後藤 達彦  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (30619391)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード集団ゲノミクス / 卵成分 / 遺伝的基盤 / 日本鶏 / 連鎖解析
研究実績の概要

世界の9人に1人が飢餓という食料危機の打破を目指した研究は、畜産学の最重要課題である。本研究は、広く食利用可能な鶏卵に注目し、卵の栄養成分を自在に調節可能なゲノム基盤の解明を目的としている。(1)日本固有の多様な日本鶏品種をモデルとした集団ゲノミクスにより、品種特異的ゲノム領域を見つけ、(2)F2分離集団を用いて同定したゲノム領域が卵の栄養成分に関連することを実験的に証明することを計画している。高い多様性を誇る日本鶏資源を活用し「高栄養の卵生産に関わるゲノム基盤」を解明することで、世界の多様なニワトリに応用し世界の食料危機緩和を目指している。(1)の集団ゲノミクスに関しては、日本鶏6品種各10個体の全ゲノム解析が終了し、分析を進めている段階にある。(2)のF2集団を対象にした連鎖解析に関しては、F2世代の雌148個体から、卵重、卵殻色、卵黄重、卵白重などの10種類の卵形質の測定を終了しており、卵黄、卵白ならびに血液サンプルの凍結保存を終えている。今後、血液サンプルよりDNAの抽出を進めて、次世代シークエンサーを用いたRAD-seqによりゲノムワイドなSNPs情報を取得するとともに、卵のアミノ酸分析を進めていき、連鎖解析を行うためのデータを蓄積する計画である。上記の研究を進めて、多様な日本鶏品種を用いた集団ゲノミクスおよびF2分離集団を用いた連鎖解析により、「卵のアミノ酸成分を自在に調節可能なゲノム基盤を明らかにすること」を進めていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は3年間の計画で進めており、1年目の終了時点において、全6品種の全ゲノム情報の取得を終えている。F2集団を用いた連鎖解析においては、おおむね全体のサンプルを取得することができていることから、おおむね順調に進められているといえる。

今後の研究の推進方策

本プロジェクト2年目の本年度には、集団ゲノミクスの情報解析を行う計画である。F2集団を用いた連鎖解析に関しては、今後、DNA抽出、RAD-seqによりゲノムワイドなSNPs情報の取得、卵アミノ酸分析を進めていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

1年目には集団ゲノミクスのデータ取得を行った。当初の予定では、F2分離集団のアミノ酸およびDNA解析の一部を前倒しに行おうと計画していたが、サンプルの収集等に時間がかかり、1年目の終了時までに解析することができなかった。そのため、次年度使用額が生じたが、2年目の本年度は、1年目の残予算と合わせて、F2の遺伝子型判定、卵アミノ酸分析を行う計画である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of Nottingham(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Nottingham
  • [国際共同研究] University of Wisconsin-Madison/The Jackson Laboratory(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Wisconsin-Madison/The Jackson Laboratory
  • [学会発表] 鶏卵の遊離アミノ酸に関わる遺伝および環境要因の探索2022

    • 著者名/発表者名
      後藤達彦
    • 学会等名
      日本家禽学会2022年度春季大会 公開シンポジウム「家禽サイエンスの飛躍と深化を目指して」 テーマ2「鶏卵のメタボロミクス」
    • 招待講演
  • [学会発表] ヒナイドリにおける産卵率および卵形質の遺伝率推定2022

    • 著者名/発表者名
      川村野乃花、力丸宗弘、福田栞、萩谷功一、後藤達彦
    • 学会等名
      日本家禽学会2022年度春季大会
  • [学会発表] Genomic signatures of selection for egg production rate using whole genome sequence in Hinaidori chickens.2021

    • 著者名/発表者名
      T. Goto, S. Fukuda, K. Rikimaru, R. A. Lawal, J. Pool, O. Hanotte.
    • 学会等名
      38th International Society for Animal Genetics Conference (ISAG 2021)
    • 国際学会
  • [学会発表] 集団ゲノミクスを用いたヒナイドリの産卵率に関わる遺伝子群の探索2021

    • 著者名/発表者名
      後藤達彦、力丸宗弘、福田栞、Raman Akinyanju Lawal、John Pool、Olivier Hanotte
    • 学会等名
      日本畜産学会第129回大会
  • [学会発表] ヒナイドリおよびロードアイランドレッドを用いた卵黄および卵白の遊離 アミノ酸含量の比較2021

    • 著者名/発表者名
      後藤達彦、高谷政宏、福田 栞、大野涼子
    • 学会等名
      日本家禽学会2021年度秋季大会
  • [学会発表] ジトッコが示す毛冠の表現型とHOXC10の構造多型との関連2021

    • 著者名/発表者名
      大谷 暢、堀之内正次郎、関口 敏、石丸桃佳、後藤達彦
    • 学会等名
      日本動物遺伝育種学会第22回年次大会

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公開日: 2022-12-28  

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