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2023 年度 実施状況報告書

木材クラフトパルプは乳牛の粗飼料代替えになるか?

研究課題

研究課題/領域番号 21K05897
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

櫛引 史郎  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 再雇用職員 (30355218)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード木材クラフトパルプ
研究実績の概要

【目的】木材クラフトパルプ(KP)が乳牛の粗飼料代替えとして利用可能かどうかを検討する。
【材料と方法】試験は、ホルスタイン種泌乳牛26頭(体重:666±12.0kg, 泌乳日数:165±18.3日)を供試し、搾乳ロボット(VMS)が導入されたフリーストール牛舎で実施した。給与飼料は部分的混合飼料(PMR)およびVMS内の配合飼料とした。処理区として、慣行PMR(オーツ乾草:15% of DM)を給与する対照区と慣行PMRのオーツ乾草をKPで置き換えた(オーツ乾草: 5% of DM, KP: 10% of DM)PMRを給与するKP区の2区を設けた。試験期間は12週間とし、試験は開始2週間および終了前2週間に慣行PMRを、3週目から8週間にKP代替PMRを給与する期間反転法で実施した。
【結果】PMR中のCP含量は両処理区で同程度となり、NDF含量は対照区と比較してKP区で高値を示した。一方でデンプン含量は対照区と比較してKP区で低値となった。PMRのDMIは試験期間および処理区間での差は認められなかったが、VMS内配合飼料のDMIは試験期間を通して減少する傾向が認められ、対照区と比較してKP区で低値を示した。乳量は、処理区間での差は認められなかった。乳成分は、乳脂肪率、乳中尿素態窒素濃度は試験期間を通して減少し、対照区と比較してKP区で低値を示した。他方、乳タンパク率は試験期間を通して増加し、対照区と比較してKP区で高値を示した。血漿尿素態窒素とケトン体濃度は対照区と比較してKP区で低値を示した。
【結論】泌乳牛の混合飼料中NDFのKP代替給与は乳生産には直接影響しないが、タンパク質の利用効率を高める可能性が考えられた。これらの結果から、KPは粗飼料の代替え飼料として、乳牛のルーメン発酵と生産性の維持に対して有効であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

木材クラフトパルプの粗飼料代替えは生産性と健全性を維持しながら給与することが可能であるデータが取得されつつある。ただ、メタン産生への評価が残っている。

今後の研究の推進方策

今年度の成果から、飼料中のタンパク質レベルを補正することで、乳生産が向上する傾向が認められた。今後は、メタン産生への影響と並行して、タンパク質レベルによる効果を検討する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた動物実験が完了せず、延期となったため。
次年度に実施する動物実験の評価解析に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 泌乳牛へのクラフトパルプ給与が乳生産および栄養代謝に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      後藤一輝、中田康夫、新倉 宏、上野 豊、櫛引史郎、杉野利久
    • 学会等名
      第1回乳牛の健康を科学する会

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公開日: 2024-12-25  

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