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2022 年度 実施状況報告書

生体センサーを導入している農家のみの娘牛データによる種雄牛評価の精度の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K05899
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

山崎 武志  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (00414764)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード乳用牛群検定 / 種雄牛評価 / 生体センサー
研究実績の概要

乳用雌牛の発情発見のための生体センサーデータは、受胎率の高い娘牛を作出する種雄牛を評価・選抜するための客観的指標として期待できる。その一方で、大規模農家を中心に導入が進む生体センサーが装着されている娘牛の飼養形態には偏りがあるため、収集される娘牛データの偏りによる種雄牛評価精度(真の能力と評価値との相関)の低下が懸念される。本研究では、全国の乳用牛群検定成績を利用して、生体センサー導入農家等、一定条件の農家だけの娘牛データによる種雄牛評価値と、全農家の娘牛データによる種雄牛評価値との相関を調査し、データ収集農家の偏りと評価精度の低下との関係を明らかにする。
研究実施2年目となる本年度は、全国の牛群検定農家を対象に実施した生体センサー導入の有無と飼養形態に関する約3,000戸のアンケート調査結果を集計し、生体センサー導入農家における飼養形態の特徴の抽出、および生体センサー導入農家のみの娘牛データによる種雄牛評価値を算出するためのデータセットの作成に着手した。
全国の牛群検定情報を入手し、生体センサー導入農家を想定した牛群サイズの大きい農家や繁殖成績の良い農家を抽出し、抽出農家の娘牛データのみによる種雄牛評価値と全農家の娘牛データによる種雄牛評価値との比較を試行したところ、抽出データによる評価値に偏りが生じ、その程度は遺伝率や牛群内分散により異なる可能性があること、その一方で正確度はランダム抽出データによる評価値と変わらない可能性を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りにアンケート調査結果を集計し、生体センサー導入農家における飼養形態の特徴の取りまとめ、およびその娘牛データから構成される分析データセットの作成を開始した。また、牛群サイズや繁殖成績が上位である農家の娘牛データに基づく種雄牛評価の偏りについて評価した。次年度は、生体センサー導入農家の飼養形態、牛群サイズ、繁殖成績の特徴をとりまとめるとともに、生体センサー導入農家のみの娘牛データによる種雄牛評価値と、全農家の娘牛データによる種雄牛評価値との相関を調査する。

今後の研究の推進方策

最終年度となる次年度は、アンケート調査の集計結果を用いて、生体センサーの普及状況と導入農家における飼養形態の特徴の取りまとめるとともに、生体センサー導入農家の娘牛データから構成される分析データセットを作成し、このデータセットによる種雄牛評価値と全農家の種雄牛評価値との相関から生体センサーデータ収集農家の偏りと評価精度の低下との関係を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

アンケート調査の集計に係る賃金および分析結果に関する研究協力者との打ち合わせ旅費が調書計画より安価であったため。次年度の分析結果に関する研究協力者との打ち合わせを強化するための旅費に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Simulation of the lifetime productivity of a dairy herd in Japan according to the number of days to first service of cows2022

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki Takeshi、Takeda Hisato、Sasaki Osamu
    • 雑誌名

      Animal Science Journal

      巻: 93 ページ: e13740

    • DOI

      10.1111/asj.13740

    • 査読あり
  • [学会発表] 偏った一部の個体群データに基づく推定育種価の精度2023

    • 著者名/発表者名
      山崎武志
    • 学会等名
      第17回統計遺伝育種研究会
  • [学会発表] 牛群サイズまたは繁殖成績が上位の乳用牛群記録に基づく推定育種価の精度の検証2022

    • 著者名/発表者名
      山崎武志、大澤剛史、増田豊
    • 学会等名
      日本畜産学会第130回大会

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公開日: 2023-12-25  

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