4週齢の離乳去勢雄ブタ4頭を1反復として、4反復を暗期限定給餌(消灯している19時から7時まで給餌)、残り4反復を明期限定給餌(点灯している7時から19時まで給餌)の条件で時間制限給餌して3週間飼育した。給餌量、残飼料、体重を測定し、増体量と飼料効率を算出した。サンプル採取は1反復につき3時、9時、15時、21時に1頭ずつ行った。空腸のマルターゼとアミノペプチダーゼNの活性を測定した。mRNAの発現量はリアルタイムRT-PCR法、タンパク質の発現量はウェスタンブロッティング法にて測定し、盲腸内容物の細菌叢を解析した。 空腸のマルターゼとアミノペプチダーゼNの活性には時間制限給餌並びにサンプル採取時刻の影響はなかった。視交叉上核と小腸、筋肉ならびに肝臓におけるいくつかの時計遺伝子および空腸のグルコーストランスポーターの発現に日内変動がみられた。暗期限定給餌と明期限定給餌を比較するとその発現にはおよそ12時間の差がみられた。つまり、ブタでは視交叉上核と末梢の各組織の日内変動には飼料摂取が強く影響することが示唆された。腸内細菌叢においても一部の細菌で種レベルの日内変動がみられ、その割合の増減には暗期限定給餌と明期限定給餌でおよそ12時間の差がみられた。すなわち、腸内細菌叢においても日内変動には飼料摂取が強く影響している。 日増体量と飼料効率が、暗期限定給餌の方が高くなったことから、暗期限定給餌による飼料効率向上の可能性が示された。
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